Perform Better Japan Summit

実は9月末にMovement Fundamentals(ムーブメントファンダメンタルズ)®︎の28期が終了しました。28期の修了生である蟹田さんと、CMC(認定ムーブメントコーチ)の森下さんがPBSに参加して、どう感じたか?のレポートをしてくれました。MOF終了したばかりの蟹田さん、いつもサポートしてくれている森下さん、お二人のレポートは面白いので是非!と思いこちらに投稿しました!!

蟹田さん(MOFシングルスター)

【Perform Better Japan Summit 2023 に参加して】
・MOF の中でも取り上げられていた「制約主導アプローチ」について、講師の方が講義の中でもお話をされていました。

運動学習を行っていく上で重要なこととして「生体・環境・タスク」この 3 つの制約をどのように設定し、動作をどのように「自動化」させていくのかが大事なことであるということは、朝倉さんも講師の方も同じことを仰っていました。

「〇〇しましょう」「〇〇しないようにしてください」など、口頭での指示も大事なのですが最終的にパフォーマンス(スポーツ・日常生活)に繋げていくためには「自動化」させることが重要になるため、いかにその「環境」を設定するのかが重要であるかが MOF と今回のサミットを通して改めて感じることが出来ました。

・上記の内容としても「意識しての動作」と「無意識での動作」では脳の使われる回路が違ってくるため、どんなに「意識して、意識して」トレーニングやエクササイズを実施したとしても「無意識(自動化)」には繋がらない(反復の先に自動化があるわけではない)ため、自然と引き出したい動きを引き出せる環境を設定することがトレーナーやコーチが求められることであり、MOF の後半で行ったアウトプットはまさにそこの部分でした。頭がパンクするようなアウトプットではありましたが、そういった事前の知識や経験があった上での今回の講義でしたので、非常に深い学びに繋がる講義を受けることが出来ました。

・講義の資料にもあったものとして「何を学習させようとしているのか?」を理解しなければならないため、動作を学習させるためにもトレーナー・コーチサイドとしては

「解決しようとしている問題」

「修正しようとしているエラー」

を理解する必要があります。ここを理解しなければ何をすれば良いのかが分かりません。そのためにも「動作を見る目」を養う必要があり、MOF を受講した際にも動画を撮り、そこから問題となっている動作を見つけ、それに対してどのように改善するのかなどをディスカッションすることも行いました。動作学習をしていく上では非常に重要な部分であることは今回の講義と MOF で再認識することが出来ました。

・最後は実際に MOF を受講された方の講義と実技を受講しました。MOF の中でも何度も出てきた「アナロジー」を用いて参加者の方々イメージしやすいワードを用いて指導をしているのは印象的でした。30 名程の参加者が一斉に動いている中で「ポン!ポン!」「タッ!タッ!」「1,2!1,2!」など短めのワードを用いるなどの工夫もされていました。こういった部分についても動きの中でのキューイングはなるべく短く分かりやすいものを使用するということも MOF で学んだことでもありました。実際に受ける側になってみるとその効果は抜群に感じました。

・今回サミットに参加して、運動学習理論や制約主導アプローチに基づいた運動指導は事前に MOF を受講していたことで理解しやすく、今回別の方から聞くことで更に理解を深めることが出来ました。MOF で学んだことが様々なことに繋がり自身の知識やスキルを深めるとともに、MOF で出会った方々(第 28 期の方、CMC の方)やすでに MOF を受けていた方々とサミットで出会うなど、人と人との繋がりを拡げることができる大変貴重な機会となりました。

第 28 期 蟹田 亮人

CMC森下さん

2023 パフォームベタージャパンの講習会に参加して感じたこと

・エコロジカルアプローチのことを取りあげてくれた講義があったのですが、ここは、朝

倉さんも、最近の MOF でもかなり取り上げてくれていて、かつ私自身も本も読んでいた

ので、自分の頭を改めて整理することができました。個人的に一番受けたのが、講師の方

がアトラクターを説明するときに、 「なんでもいいけど、どーでもよくはない」という言葉

を紹介してくれた時でした。MOF でも何度も聞いた言葉だったので、なんだか嬉しくな

りました。

・上記講義では実技のテーマが減速とラテラルで、まさにムーブメントスキルでした。

全体→部分→全体 の流れで指導していく。

MOF ならば、フリーアプリケーション→ベーシック→フリーアプリケーションの流れ。

またベーシックなエクササイズを指導する際も、レジスタンスバンドという道具を使用す

ることで動きに制約をかけるアプローチでした。感覚的にも改めて道具の制約によるアプ

ローチは有効であることを実体験できました。

・上記の実技、対人のリアクションドリルがありました。私は MOF で学び始めて 8 年目

なのですが、自分のトレーニングはムーブメントに限らず 、ずっと一人でやっておりま

す。また、何かの試合に出てリアクションすることも 20 年以上やっておりません。つま

り、リアクションして動くことはほぼやっておりません。言い方を変えるならば、伝統的

アプローチ「型」練習しかしていないのです。だから、正直、対人のドリルに不安があり

ました。ましてや、日本の武術を中心とした型練習は、あまり意味がないという話こそ、

エコロジカルアプローチだからです。ただ、そのわりにはまずまず対応できた自分に驚き

ました。もちろん、スピードは相手の方も 100%でなはく、本当に単純なミラードリルだ

ったこともあるかと思います 。しかし、ラテラルで切り返すときには、膝を伸展させて蹴

るのではなく、ラテラルキャッチで受け止めて切り返すことや、減速では抜重をして重心

を落すことができました。これは、講義の中で紹介してくれた次の言葉のことだったので

はないかと感じております。

単 に 動作 や シチュエーション を 再現 して ドリル 練習 を するのではなく 、

「 他 の 動作 に 応用 が 効 く 動作 」 「 他 の 動作 にも 関係 している 動作 」

を 鍛 える 必要 がある 。

私が自主トレでやってきたことが通用したのは、型の反復練習があったからこそだと感じ

ております。

・最後に講師の方がスキルコーチとストレングスコーチの間、ここを埋めること、そこが

ターゲットゾーンになる旨を話してくれました。ウエイトトレーニングで培った筋力を競

技スキルに転移することができるコーチが求められていると、朝倉さん同様素晴らしい講

師の方に言ってもらえたのは、まさに、それこそが私が MOF を通じて 8 年間、試行錯誤

していることであり、自分の進んできたことが間違っていない、ある意味で確信に変わっ

た瞬間でした。

以上、簡単ではありますが、個人的な気づきを書かせて頂きました。MOF に感謝です。

CMC1 期 森下茂

最後に、”なんでもいいけど、どうでもよくない”は札幌の沓脱先生の受け売りでございます。朝倉(笑)