感覚と実際の動きそして、それが引き起こす結果

SOMの認定ムーブメントコーチでもある河森博士が最近2回連続で非常に面白いブログの記事を投稿されていたので紹介したいと思います。

記事の中で、”アスリートの「感覚(=input)」と「実際の動き(=output)」は違う場合がある”というお話がありました。そしてさらにいうならば、その動きが引き起こす結果との繋がりと、その再現性が”技”として自分の身体を扱うにあたり、非常に重要だったりします。

実際に引き出される動きをPerformance, その結果起こる結果がResultなんて呼んだりすることもあるようです。この呼び方は個人的にちょっと無理があることもあるなあ、なんて思っているんですが、そこは置いておいて、ブログの後半で”アスリートの「感覚(=input)」と「実際の動き(=output)」は違っていてもいい”と河森氏は示しています。なぜならば、この動きのイメージと実際が違っても結果がイメージ通りになるなら(から)良いわけです。

様々なトレーニングでエクササイズを指導するにあたり、これはすごく重要で、こんな感覚をアスリートが引き起こせると、こんな動きが引き起こされて、その結果こんなことが起こる、スキルの中では必ずしもこうではありませんが、少なくともエクササイズの中や、クローズドスキル(テクニック)の中では、ある程度再現性を持ってよりダイナミックに実施できるようにしたいわけです。

感覚の引き起こすイメージはあくまでもその人の感覚です。これはアスリートがコーチの感覚に共感できて、同じような動きの運用とその結果を引き起こせるかもしれませんが、そうではないことがたくさんあります。

だから、コーチはまず客観的な視点で自分があるエクササイズをやろうとすると、このような動きになる(自分の)、そしてそれがこのような結果を生む、という事を試行錯誤しながら比較することが大事だと考えています。

コーチ自身の”こういう感覚でやると、こうなる”はアスリートが変わると再現性ないかもよ。ってことです。

だから、河森氏もブログの中で、

”引退したアスリートが指導者になって自分の「感覚(=input)」で教えるのは危険”

と、語られているわけです。

一方でアスリートが、

感覚

動き

結果

の比較をある程度客観的にできるような環境は昨今のテクノロジーの進歩でできるようになってきています。学習、再学習の中で試行錯誤は技術をゲームの中で適用するためには必要不可欠です。特に”再学習”は非常に厄介で、現状で自動化されている”問題がある”感覚と動き、そしてそれが引き起こす結果を構築し直す必要があるのです。そのためには個人の感覚が引き起こす動きを客観的に知りその問題を認知する必要があります。コーチやテクノロジーの力を借りた試行錯誤をすることでテクニックの発出のばらつきを減らすことができるのかもしれません。

河森氏もブログの中でドライブラインベースボールでのトレーニングに取り組む選手についてそんなような意味合いのコメントを氏のブログの中でされていました。

いやあ、面白い。

実は一般社団法人 School of movementのMovement Fundamentals(ムーブメントファンダメンタルズ)®︎では昨今このポイントをセッションの中で非常に重要視してお伝えしています。

ある動きが引き起こす結果を知る

動きを実施しようとしてみる(感覚→動き)

トレーニングパートナーとお互いにその動きを観察してみる

その動きが引き起こす結果を見てみる

動きの感覚をどうコントロールしたらどのような動きになるか?を試行錯誤してみる

感覚→動き の試行錯誤

動き→結果 の試行錯誤

を様々な方向に様々な条件で実施して、それを変化させるためのアプローチに取り組みます。

上記のような自身の変化への取り組みを10週のコースの前半で行い、後半では自分以外の人間にどう伝えて、どう変化を引き出すのか?のコーチングについて試行錯誤しています。