8月4日日曜日、『森下道場』のテーマは「ラテラル方向への加速」がテーマ。参加者はMOF修了者の方が2名と、理学療法士、ストレングス&コンディショニングコーチ、そして、私の息子のパパ友で職業はプログラマーという顔ぶれ。まずは、股関節の引き込みの感覚をつかむために、スプリットスクワットから。実は、森下道場に限らず、最近私は現場(高校野球部)でも、このスプリットスクワットで、お尻を使って地面をプッシュする感覚と、股関節の引き込みの感覚を伝えるために、第1種目にすることが多い。
そして、次の種目は高校生にはスケーティングと呼んでいる種目。やはり、前脚の股関節の引き込む感覚をつかむため。しかし、パパ友の友人が少しつま先荷重に見受けられたので、「お尻きてる?」と声をかけると、案の定大腿前面にきているとのこと。友人はバスケ部出身で、50歳になった現在でも自分でチームを作り、まだまだ現役プレイヤー。ここのところ、何回か道場に参加して練習している。が、なかなかこの股関節の引き込む感覚をつかめずにいる。どちらかというと、母指球荷重で、大腿前面を使う動きが身に沁みついている。本人も、そこは自覚しているのだが、なかなか難しいようである。ここで、一つ道場を進めていくうえで課題が起こる。私が友人のエラーを修正することにエネルギーを注ぎすると、他の方は置き去りにされてしまうのだ。全体としてのセッションのテンポが悪くなるのだ。これは、実は現場で多人数指導するときにもよく起こることだ。さて、どうする? むろん、ここに完璧な答えはないのだが、昨日の私は、奇数でペアが1人合わないこともあり、友人のペアを私としてみた。結果として、昨日私が一番、アドバイスさせてもらったのは友人になった。逆に言えば、他の方のパフォーマンスを全て見れないことにもなるのだが、全体としてのテンポ感はまずまずにできたように思う。
後半は、ラテラル方向への加速の大切なポイントである、バックレッグで角度作り、フロントレッグで踏み込む感覚をつかむために、キックボクシングのスイッチを練習したり、ラグビーで強いタックルをする際の足の運びに似ていることをご紹介したりと。そして、最後は減速の練習もしていないのに、加速した後に、減速して反対方向に走るという難しいものにチャレンジ!
全体を振り返ると、ラテラルバックレッグスキップやラテラルフロントレッグスキップなどは、かなり皆様良いパフォーマンスを発揮していたように思う。その要因はおそらく、その場マーチで股関節を引き込む感覚を引き出せたからのように思う。ラテラル方向に進む前に、必ずその場でマーチやスキップする、これけっこう大事だと改めて感じる。ただ、一番感覚をお伝えしたかった、バックレッグで角度を作りフロントレッグで踏み込む、リズムとしてはタ・ターン! この感覚を引き出すためのアプローチには個人的には課題を感じた。
しかし、昨日の早朝の森下道場のあと、夜、『大野道場』に参加させて頂きその課題のヒントをもらえた。大野さんの説明やドリルをやることで、今更ながら気づいた。それは、支持基底面の話だ。ラテラルだろうが、リニアフォワードだろうが、支持基底面から外れれば楽に動ける。恥ずかしながら私は、今まで道場でも選手に指導する際も支持基底面のことを伝えたことがなかった。でも、大野道場に参加して、ああ、このことは知識として、選手にも言っても良いなと、いやむしろ伝えてあげたほうが良いなと、そう思った。そして、もう一度、自分自身も力学的な話を簡単に伝えられるように、勉強しようと。今年の1月に朝倉さんに後押ししてもらって始めた『森下道場』、おかげさまで、私自身が1番成長する場所になっている。
以上、長々と道場のご報告となります。押忍!